低リスクで安全?外壁診断でドローンを使うメリットとは?
ドローンはまだまだ新しい技術ですが、低リスクで安全であることや何よりコストをかけずに外壁診断ができることから、使用する塗装業者が急速に増えつつあります。また、施主にも外壁診断の際は、職人が直接屋根に登るよりもドローン診断を希望する方が多いです。この記事では、外壁診断でドローンを使うメリットについて、解説します。
短時間かつ安全
ドローンを使う1つ目のメリットは、短時間かつ安全な診断ができることです。以下、具体的にどんなことができるのか、まとめました。
■時間を短縮させることができる
従来の外壁診断では作業員が実際に屋根などへ登り、テストハンマーという専門の工具で叩いたり、赤外線カメラで撮影した画像を解析したりする工程を行っていました。
作業員が安全に診断するために足場工事などが必要でしたが、ドローン診断なら機体を飛ばして撮影するだけで診断ができます。診断に向けて準備する物も減ったので、大幅な時間短縮ができるようになりました。
■屋根や外壁を傷める心配がなく安全
人が乗ると体重による重みが負荷となってしまうため、作業員が屋根に登ることはそれだけでも少なからず屋根に負担をかけてしまいます。また、テストハンマーで叩くなど衝撃も与えることになるため、「余計に傷むのではないか?」と不安に思う方もいるでしょう。しかし、ドローン診断ら撮影するだけなので、必要以上に屋根や外壁を傷める心配がありません。
■施主が自分の目で確認できる
ドローン診断のよいところの1つに、「施主が自分の目で確認できる」という点があります。具体的には、撮影している真っ最中にリアルタイムで映像を見ることができるので、「屋根や外壁が今どんな状態になっているのか?」というのをその場で確認できるのです。そのため、施主の立場から見ても、納得できる診断結果が得られるでしょう。
足場を組む必要がないため低コスト
ドローンを使う2つ目のメリットは、足場を組む必要がないため低コストな点です。当然ですが、足場工事は無料にはなりません。しかし、ドローン診断なら足場工事は必要ありません。
■足場工事の相場について
足場工事は、1㎡につき700円~1,000円です。設置費用は1階建てや2階建てといった家の造りにもよりますが、一般的な戸建て住宅なら約15万円が相場だとされています。
これに対し、ドローンを使った診断なら足場工事自体が不要なため、この約15万円の費用が丸ごと浮くことになります。負担するのは診断料だけでよいので、出費を抑えることができるのです。
■大きな建物でも、問題なし
先ほども述べたとおり、足場工事は「1㎡につき700円~1,000円」という計算法で料金が発生します。そのため、工場やマンション、アパートなど診断する建物が大きければ大きいほど、ハイコストになってしまいがちです。
しかし、ドローン診断なら足場工事が必要ないため、建物の大きさが変わっても安心です。
近所迷惑?デメリットも
メリットの多いドローン診断ですが、それでもやはりデメリットはあります。ドローンを使うことによるデメリットには、一体何があるのでしょうか?
■近所迷惑になる?
「ドローンの飛行音がうるさい」と近所からクレームが入ったり、許可なく自宅の周辺をカメラで撮影されることをプライバシーの侵害と受け取ったりする方もいます。
そのためドローン診断を行う際は、事前に近所の方々に説明をしておきましょう。何も言わずいきなり始めてしまうと、覗き見など「イタズラをされている」とあらぬ誤解を受けてしまうかもしれません。
■天候に左右されがち
ドローンは精密機械のため、天候によっては飛ばせません。また、風の強い日は安定した飛行が難しいため、風が強い日にもドローン診断は避けた方が無難です。
■目視より精度が落ちる場合も
ドローン診断は機体を飛ばし、撮影しながら屋根や外壁の劣化具合を確認する方法です。作業員が直接屋根などへ登ることがないため、目視による診断ができません。
その結果、目視なら気づけるような割れ・剥離などといった初期症状も、ドローンではわからないケースがあります。つまり、目視より精度が落ちてしまう場合もあるのです。
■触診できない
病院にかかった時のことを、想像してみてください。基本的に医師は面と向かって診察をし、聴診器で胸の音を聞いたり触診したりして患者の病状を判断します。ネット上でモニター越しに服を着たまま診察を行い、「風邪です」などと病名を診断する医師はいないでしょう。
同じようにドローン診断では、手で触れ屋根や外壁の状態を確かめることができません。その結果、「棟板金にガタつきがある」など、触診でわかるものを見つけられない可能性があります。
低リスクで安全な方法として、外壁診断でドローンを使うメリットについて詳しい解説をしました。ドローンは従来の外壁診断と比較した際、準備するものが少ないことから大幅な時間短縮やコストカットが可能です。また、体重やテストハンマーなどによるダメージを抑えられるため、安心感も大きいでしょう。しかし、目視や触診ができないことから正確性に欠ける部分もあり、「おおよその診断」と捉えておいた方が無難でしょう。