外壁塗装の見積書でチェックするべきポイントについて解説!
マイホームを持つ家庭では避け通れないのが、外壁塗装メンテナンスです。外壁は外から見ることが出来る、住まいの顔のような存在です。ひび割れやチョーキング現象など、劣化が顕著になってきたら、住居の美観や強度回復のために外壁塗装の検討が必要になります。今回は、外壁塗装の見積書でチェックするべきポイントについて解説いたします。
外壁塗装の見積書に記載されている主な項目
マイホームを建てて10年ほど経過すると、外壁にもダメージが蓄積し、ひび割れや変色、色あせなどのさまざまな劣化の兆候が表れます。これは外壁塗装の塗り直しが必要なサインで、外壁の強度レベルが低下している状態です。この状態で放置しておくと、壁のひび割れなどから雨水などが入り込んで柱や壁を腐らせてしまい、最悪の場合には、家屋の倒壊につながることもあります。住居が深刻なダメージを受ける前に外壁塗装を行って、マイホームの寿命を延ばすことが大切です。
一般的な戸建ての場合、外壁塗装には100万円前後かかると言われています。大きな工事のため、業者選びは慎重に行いたいものですが、外壁塗装にかかる実際の費用は、外壁の面積や塗料、作業工程数によって変わるため、相場を把握するのは困難です。また、外壁塗装の業者には施主が無知であることを逆手にとって、手抜き工事をおこなったり、割高な請求をおこなったりする詐欺まがいな悪徳業者も一定数存在します。
そんな悪徳業者の被害にあわずに、正しい相場で外壁塗装を実施するためには、複数の業者から相見積もりを取ることが有効です。また、見積書に記載されている内容をチェックして、項目ごとに必要な工事かどうか、金額が妥当なのかどうかを検討する必要があります。外壁塗装の見積書に記載されている主な項目は大きく分類して、足場・養生・洗浄・外壁と屋根の塗装(下塗り、中塗り、上塗り)に分けられます。足場は外壁塗装作業に組む作業台を指します。建物の高さによるものの、外壁や屋根の塗装リフォームではほぼ必須となる項目です。
足場代には飛散防止用シート費用が含まれることもあります。養生は窓や車、近隣の車などに塗料がつかないように敷くビニールやマスキングテープの費用です。洗浄は、外壁塗装前に行う高圧洗浄機を使った洗浄を意味します。塗装はメインとなる外壁塗装に関わる費用を意味しており、下地処理、下塗り(プライマー、シーラー)、中塗り、上塗りと細かく記載されているほど好ましい項目です。各工程で使用する塗料が記載されます。
外壁塗装の見積書でチェックするべきポイント
外壁塗装の見積書でチェックするべきポイントはいくつかあります。
1つめのポイントは、洗浄に高圧洗浄が適用されていることです。業者によっては、ホースで水をかけるだけで済ませる場合もあります。その場合、費用は安く抑えることができますが、壁に付着した細かい汚れを落とすことができません。壁に古いペンキが残った状態で新しい塗料を塗っても、本来の耐用年数を迎える前に、塗料が剥離してしまう恐れがあります。高圧洗浄では古い塗料以外にも、カビや苔、藻、汚れ、チョーキングの粉などを落とす目的があります。壁に付着したこれらの汚れを落とすことで、塗料が壁に密着し、本来の威力を発揮することができます。
2つめのポイントは、塗装の項目が作業工程ごとに細かく記載されていることです。各項目で使用する塗料の名称、メーカー名称が書かれているか確認します。塗料のメーカーは日本のトップシェアである日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研のいずれかにあてはまれば安心です。メーカー名の記載がない場合、海外から安く輸入した低品質な塗料を使用する可能性もあるため要注意です。また、塗りの回数が全部で3回書かれていることも重要です。塗装の効果を最大限に引き出すためには、塗料の3度塗りが欠かせないためです。下塗り、中塗り、上塗りという表現でなく、上塗り×2という記述でも問題ありません。
3つめのポイントは下地処理の具体的な内容です。下地処理とは塗料が壁面に付着するように、下地面の汚れを落としたり、劣化部分に処理を施したりして平滑に整える処理です。塗料の性能を十分に発揮するためには欠かせない工程のため、下地処理の作業内容について、具体的にどの箇所にどのような処理を行うのか説明できない業者は、除外した方がよいでしょう。
4つめのポイントは項目に「諸経費」「一式」などの用語を使っていないことです。見積項目が「外壁一式○○円」などおおざっぱに書かれている場合、作業内容も、各工程でどのような機器を用いるのか、把握することができません。足場代や塗料代など1㎡あたりの単価×施工面積で記載されていない場合は、注意が必要です。意図的に作業内容を隠そうとしている可能性も考えられるからです。
外壁塗装の見積もり時の注意点
外壁塗装で見積もりを行う場合、複数の業者で相見積もりを取ることが大前提となります。複数の業者を比較することで、自宅の工事にかかる費用相場と作業工程を把握することができます。また、あからさまな悪徳業者を相見積もりで見極める可能性が高いです。外壁塗装を依頼する場合、3社~5社程度に見積もり作成を依頼することをおすすめします。
見積内容については、工事の詳細がわかることが大切です。見積書を比較する際には、ほかと比べて価格が高すぎても安すぎても注意が必要です。前者では料金の水増しの可能性、後者では手抜き工事をされる可能性があるためです。また、契約を結ぶためにわざと費用を低く設定して工事内容を削減したり、材料の品質を下げたりする悪徳業者も存在することを留意しておきましょう。
外壁塗装の見積書でチェックするべきポイントについて解説しました。外壁塗装工事は、家の寿命を延ばすためには欠かせません。適切な業者に工事を依頼するためには、見積書の内容をチェックすることが有効です。気を付けるべきポイントとして、工程が具体的に記載されていること、塗装が3回塗りであること、工事に使う塗料の商品名やメーカー名が記載してあること、諸経費・一式などの曖昧な表現を使わず、施工面積で算出した数値を用いていることなどが挙げられます。見積書は3社程度から相見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。