ラジカル塗料とは？メリット・デメリットについて解説！

住宅の外壁は、通常10年に一度のメンテナンスが必要だとされています。しかし、何度も経験することではないため、どのような種類の塗料を選ぶべきか分からない方も多いでしょう。そこで本記事では、外壁塗装の塗料の一つであるラジカル塗料について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ラジカル塗料とは？

住宅の外壁は定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると住宅の美観を損ねてしまうのに加え、外壁がひび割れて雨やホコリを侵入させ、住宅の構造にダメージを与えてしまう可能性があるのです。そのため、住宅を購入して数十年間一度もメンテナンスをしていない、外壁に触れると塗料が付着するといった場合は、早めにメンテンナンスを検討しましょう。

ただ、外壁のメンテナンスは何度も経験することではないため、塗料選びに迷ってしまう方も多いでしょう。業者に任せる方法もありますが、なかには予算や要望に合わない塗料を勧められる可能性もあります。そのため、ある程度自分で下調べを行い、塗料に関する知識を持っておくことが重要なのです。

たとえば、比較的新しい塗料の一つにラジカル塗料があります。そもそもラジカルとは、塗料に含まれる顔料が紫外線や水にさらされた際に発生する劣化因子のことです。つまり、ラジカル塗料とは、劣化因子であるラジカルの発生を抑えられる塗料なのです。

アクリル塗料やシリコン塗料のように、塗料に含まれる成分が名前の由来となっているわけではありません。なお、ラジカル塗料の主成分はアルカリ樹脂系塗料または、シリコン樹脂系塗料といった一般的な塗料を使用しています。そして、塗料にラジカルの発生を抑制する成分を配合しているのです。ラジカルの発生を抑える成分とは高耐候酸化チタンと光安定剤です。２つの特殊な成分が配合されることによって、劣化しにくい塗料になるのです。

ラジカル塗料を選ぶメリット

ラジカル塗料は劣化に強いという特徴がありますが、劣化に強いだけならフッ素樹脂系塗料も同じです。しかし、近年ラジカル塗料の需要が拡大しているのは、劣化に強いだけでなくさまざまなメリットがあるからなのです。たとえば、コストパフォーマンスに優れているのがメリットだといえるでしょう。通常、耐候年数が長くなるにつれて、塗料の単価がアップする傾向にあります。つまり、フッ素樹脂系塗料は耐久性に優れているものの、施工するには高額な費用がかかるのです。

一方、ラジカル塗料の場合、主成分は比較的安価なものを使用しているため、コストは抑えたまま長期間の耐用年数を実現しています。リーズナブルでありながら、高品質というバランスのよさが需要を拡大している要因だといえるでしょう。

また、外壁の素材を問わないのもラジカル塗料の魅力です。塗料の種類によっては、特定の外壁材には使用できないものがあります。しかし、ラジカル塗料であれば、密着性が高く塗料のノビがいいため、外壁材の種類に左右されずに使用可能なのです。

ラジカル塗料を選ぶデメリット

メリットの多いラジカル塗料ですが、デメリットも存在します。メリットに目を向けると魅力的に感じられますが、デメリットも確認し慎重に塗料選びを行いましょう。

まず、比較的新しい塗料のため、知名度が低いのがデメリットです。外壁塗装の施工で最も選ばれているのがシリコン塗料であり、名前を知らないという理由でラジカル塗料は選ばれにくい傾向にあるのです。知名度が低いからといって塗料の性能が落ちるわけではありませんが、人気がないという理由でそもそも取り扱っていない業者もあります。業者に直接依頼すれば注文してくれる可能性もありますが、施工経験がないと施工に不安を感じてしまうでしょう。つまり、施工業者が限定されやすく、依頼したい業者があっても取り扱ってもらえない可能性があるのです。

また、知名度があまり高くないため、施工事例も限られています。外壁は何度も塗り直すのが難しいため、事前に同じ塗料を使用している施工事例を確認したいという方も多いのではないでしょうか。しかし、まだまだ施工件数が少ないため、事例を確認できないケースがあるのです。また、2010年代に発売されたばかりの塗料のため、施工から年数が経過した状態の事例をほとんど確認できないもデメリットでしょう。塗料メーカーが提示している耐用年数を参考にすることは可能ですが、実際に施工から年数の経過した事例を確認できないのは不安に感じやすいポイントかもしれません。

ラジカル塗料は2010年代に発売された新しい外壁塗料です。外壁を劣化させる原因となるラジカルの発生を抑制できる塗料で、コストパフォーマンスに優れているのが魅力です。ただし、新しい塗料のため、施工件数が少なく事例を確認できない、取り扱っている業者が限定されるなどのデメリットもあります。ラジカル塗料を使用したいけれど、不安も感じているという場合は、ラジカル塗料の施工件数の多い業者を探して相談するようにしましょう。