外壁塗装に用いられる塗料の種類と特徴
外壁塗装の塗り替えの際、塗料選びは非常に重要なものとなります。しかし塗料には種類も多く、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。そこでこの記事では、外壁塗装に用いられる塗料の種類と特徴について、耐用年数や選ぶ時のポイントも含めて紹介します。外壁塗装を検討している人は、自宅に適した塗料を見つけるための参考にしてください。
塗料の種類と特徴
外壁用の塗料にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も耐用年数も異なります。そのため、どのような面を重視するかによって、選択も変わってくるでしょう。
アクリル
耐用年数は2~3年です。安価ですが耐久性に乏しく、近年ではあまり外壁用には使用されていません。
ウレタン
耐用年数は5~7年で、木材にも塗装できるほど柔らかく密着性の高い塗料です。ひび割れしにくいというメリットはありますが、雨や紫外線に弱いため変色しやすいという欠点もあります。
シリコン
耐用年数は7~12年で、耐水・耐久性に優れ、防カビ・防汚・防藻などの性能も高い塗料です。また費用とのバランスもよいため、「迷ったらシリコン」といわれるほど、外壁塗装にも多く用いられています。
フッ素
耐用年数は10~15年となっています。耐久・耐熱・耐寒性、酸性雨に紫外線など、あらゆる性能に優れているため、メンテナンスに手間がかかる高層ビルや陸橋、大型施設に使用されることの多い塗料です。唯一の欠点は価格でしょう。そのため、一般家屋では屋根などの狭い範囲だけに使用されることが多いようです。
ラジカル
耐用年数8~13年で、白い粉が吹くチョーキング現象解消のため2012年に販売された塗料です。フッ素に近い性能でありながら価格はシリコン並みのため、今後の普及が期待されています。
ピュアアクリル
耐用年数12~15年で、弾性・防水・遮熱・耐久性の高い塗料です。デメリットは熱膨れが起きやすいということ、乾燥に時間がかかるため工期が長くなることでしょう。
セラミック(遮熱)
耐用年数15~20年で、遮熱・断熱効果が高く冷暖房効率のよい塗料です。また、陶磁器の材料を吹き付けることで石材調にすることもできます。ただし、価格はその分高くなるでしょう。
光触媒
耐用年数は10~15年といわれています。成分の酸化チタンが紫外線と化学反応を起こすことで壁面の汚れを分解し、雨によって洗い流す仕組みの塗料ですが、価格は最高額レベルです。
無機
耐用年数15~20年で、無機物を主成分としたチョーキングや色あせが起きにくく、不燃性や防汚性も高い塗料です。価格は高めですが、その分耐久性もあるためコスパは悪くありません。
耐用年数が長いのは?
比較的安価なものの中では、シリコンが長めでよく外壁塗装に使われてきました。しかし、近年では同価格帯で性能が高いラジカルも人気です。
そして最も耐用年数が長いのはセラミック(遮熱)と無機で、耐用年数はいずれも15~20年となっています。長く持つのでコスパは悪くはありませんが、一度の出費が多くなることは頭に入れておきましょう。
塗料を選ぶときのポイント
外壁用塗料を選ぶときは、住環境と塗料との相性や美観などにも注意してください。
コストパフォーマンス
外観イメージを変えるために短期間で塗り替えをしたい場合は、ウレタンなど耐用年数が短くても安い材質のものがよいでしょう。逆に、あまり何度も塗り替えをしたくない人は、フッ素やセラミック、無機のような少し高くても耐用年数の長い材質のものがよいかもしれません。あと何十年その家に住み、何度塗り替えるかをシミュレーションしてみることも、塗料のコスパ比較に役立つでしょう。
機能性
ノーメンテナンスでも劣化の少ないフッ素、遮熱効果の高いセラミック、チョーキング現象が起きにくいラジカル、雨で汚れを洗い流す光触媒など、耐久性以外にも塗料の性能には違いがあります。道路が近い・海が近い・雨が多いなど、住宅環境によって必要となる性能は変わるため、複数の要素を考慮して選ぶようにしてください。
色
住まいの外観イメージを大きく左右する色は、塗料選びで非常に重要なポイントとなります。落ち着いたやわらかい雰囲気にしたければ、ベージュやクリーム、茶などを選ぶとよいでしょう。シックな感じが好みなら黒やグレー、高級感を出したいなら白がおすすめです。ただし、屋根や玄関ドアなどの色とのバランス、景観との相性も考えて選んでください。
光沢のレベル
住まいの美観に影響する要素です。塗料の光沢には艶なし・3分艶・5分艶・7分艶・艶ありの5段階あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。傾向としては光沢があるほうが汚れにくく耐久性があり、光沢がないほうが高級感を出せるようです。
外壁塗装は大切な住まいを守る役割を担っているうえ、外観イメージにも直結する事柄といえます。そのため、後悔しない塗料選びをしたいものです。塗装完了後に「なんか、イメージと違う」「すぐに汚れてきた」などとなっても、簡単にまた塗り替えることはできません。それぞれの塗料の特徴や性能、自宅の環境なども含めて慎重に選ぶようにしてください。